対話主事通信「いろとりどり」2024年4月号
考えてみてください。「次の文章をできるだけ短く書き直しましょう。」と言われたら、あなたならどう直しますか?
ふるさとの山々が春を迎えた。いっせいに若葉が芽吹いて、さまざまな色合いの黄緑色のグラデーションが山全体を覆っている。ところどころに花々を咲かせた木々のピンクや白や紅色もまじっている。そんな優しい色合いの春景色を見ていると、わたしの気分まですっかり明るくなってくる。 |
実は、これと同じ内容をたった13文字(17音)で表現したものがあるのです。それは…
「故郷や どちらを見ても 山笑ふ」 正岡子規さんの俳句です。
ポイントは「山笑ふ」という言葉。このたった3文字から、春という季節の空気感・具体的な景色・見ている人の気持ちまでが浮かび上がってきます。これが、俳句の「季語」です。季語があることによって、世界で最も短い定型詩である俳句が成立しているのかもしれませんね。
さて、季節は待ちに待った春。みなさんは、どういうものに「春」を感じますか? 梅、桜、チューリップ、ウグイスの初鳴きなど、自然界のワクワクに春を感じるかもしれませんし、日々の暮らしの中の卒業、入学、就職、引っ越しなど、新しいスタートを切る緊張感に春を感じるかもしれませんね。では、昔の日本人はどうだったのでしょう? そこで今回は、「春の季語」について調べてみました。「なるほど味わい深いな」と思ったもの、「え? これが春?」と意外だったものなど、いろいろありました。ほんの一部ですが、気になったものを紹介します。
「気候を表す季語」
風光る(春に吹く風がきらきら光るように感じられることを意味している。)
花冷え(桜の咲く時期に寒さが戻ってくる気候を「花冷え」という。3月下旬から4月上旬にかけて使う。)
春雨(しとしとと、細やかに降る春の雨。) おぼろ月(春の夜にぼんやりとかすんで見える月。)
霞の衣(霧が発生して霞んで見える光景。) 春の海(陽光に照らされ穏やかに波打つ海の様子。)
「挨拶に関する季語」
浅春(春になったばかり時期を示す。3月前半。)
陽春(明るい春の光に包まれた温もりが感じられる。4月上旬から下旬に使える表現。)
惜春(過ぎていく美しい春を惜しむ気持ち。4月中旬から下旬。)
春たけなわ(きれいな花々、柔らかい陽光、まさに春爛漫のイメージ。3月中旬から4月中旬ごろまで使える表現。)
「動物や植物など生き物に関する季語」
猫の恋(聴覚に訴える季語。猫の子、子猫も春の季語。)
梅見(桜よりも早く咲く梅は、春が近づく日々を鮮やかに表現。)
花筏(水面に散った桜の花びらがまとまって筏のようにゆっくり流れていく光景。春の終わりを予感させる。)
「その他」
ぶらんこ(中国伝来の遊具。中国の詩人の詩から春の季語になった。)
海苔(一年中出回っているけれど、季語としては春。)
蕨餅(わらびもち。季節があるのは意外だが、桜餅、鶯餅、草餅など、和菓子には春の季語が多い。)
☆最後に、小学生からお年寄りまで素人の作った春の俳句を10句紹介します。お気に入りの句があるでしょうか?
1 姿勢良き ものから摘まれ つくしんぼ 2 この町の 空気が好きで 燕来る
3 うつむいて 吹いても空へ しゃぼん玉 4 晴れやかな 孫の笑顔や 卒業式
5 入学の 着る制服や 袖長し 6 ブランコに 乗ってだんだん 風になる
7 蒲公英を 踏まずにとめる 駐輪場 8 平穏な 日々ありがたや ひな祭り
9 君の手が 割る草餅の 芳ばしさ 10 夕桜 一人見ている 帰り道
全家研ポピー浜松支部 教育対話主事 鈴木育代
小
支部主催学習勉強会のご案内 ※静岡県浜松市、磐田市で開催しています浜松谷島屋支部の勉強会です &n
#勉強会
#PICK UP!
2024.11.20
K
中
小
幼
#勉強会
#キャンペーン
#お知らせ
2024.11.20
K
小
公立小学校の磐田・周智地区です。 上段5年生【三省堂版】、下段6年生【東京書籍版】です。 &nb
#勉強会
#お知らせ
#PICK UP!
2024.11.13