対話主事通信「いろとりどり」2022.4月号
遊んで育つ子どもたち① 3歳男児ふたりの光景
屋内遊園地のふわふわすべり台で遊んでいるK君とR君。元気いっぱいの保育園友だちです。はじめのうちは普通に座って交互にすべっていましたが、そのうちジャンプして飛び出してバウンドを楽しみながらすべるようになり、やがてうつぶせで後ろ向きに足からすべるようになり、ついには、スーパーマンのように頭を前にうつぶせになってすべり台の上にいるR君をK君が後ろから押そうとし始めました。慌てたK君ママが「押しちゃだめだよ。」と声をかけたときR君ママが言いました。
「あ、あ、違うんだよ。うちの子が頼んだんだよ。なんか、お互いに押し合ってすべり降りるっていうスタイルに今変わったみたい。」
押してもらってスーパーマンのようにかっこよく滑り降りたR君。上ではさっきのR君と同じ姿勢をとってじっとしているK君。
「そっか。上でああやって待っているんだ。」
「そうそう、お互い押されるのを待ってる。」
交互に押して押されてスーパーマン滑りを楽しみ続ける子どもたちと、笑顔で見守るふたりのママのひとときの光景でした。
一緒にいてもそれぞれで遊んでいるだけだったふたりの子どもが、互いにかかわりあいながら一緒に遊ぶということを学び始めた瞬間だったかもしれません。かかわることで遊びの可能性がぐっと広がり、楽しさも膨らんで素敵な体験となったことでしょう。
遊んで育つ子どもたち② 小1女子6人の光景
ある日の小学校の昼休み、1年生の女の子が6人、多目的教室で遊んでいました。お絵かき用の太い水性ペンを使ったタワー作りです。空き缶積みのような感じでペンの頭とおしりをつなげ、どんどん積み上げて高くしていくのです。やがて、自分たちの背を追い越し、もう手の届かない高さになってしまいました。この教室には机も椅子もありません。近くにいた先生に「先生、やって」と言う子もいましたが、ほとんどの子はやはり自分たちでやりたいようです。先生は手を出さずに見ていました。
ジャンプして一番上につけようとしますが、細く伸びた形なので途中でくねっと曲がって折れてしまい、「あーっ、くずれた!」
今度は、一人が別の子を抱きかかえ、抱かれた子が手を伸ばして一番上につけようとしますが、ふらふらして建設途中のタワーに体をぶつけ、「だめだっ、くずれた!」
失敗の連続です。どうしても一番上には届きません。どうしたらできるか、先生も一緒になってあれこれやり方を考えていましたが、名案は思いつきません。考えあぐねていたその時、一人の子が「そうだ。みんな途中持ってて。」とほかの子に頼みました。そして、一番下のペンを少しだけ持ち上げ、さっと1本差し込みました。「やったぁ!」タワーは無事ペン1本分高くなりました。一番上には手が届かないけれど一番下なら届きます。
子どもたちが失敗を繰り返しながら自分の頭で考え、解決にたどり着いた瞬間でした。
子どもは本来、好奇心の塊なんだなぁ。子どもは自分の頭でいろいろ考えるんだなぁ。子どもは失敗から学ぶんだなぁ。その力をそのまま伸ばしてやるには大人はどうかかわっていったらいいのかなぁ。いろいろなことを考えさせられたふたつの事例でした。
全家研ポピー浜松支部 教育対話主事 鈴木育代
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