対話主事通信「いろとりどり」2021.04月号
サン・テグジュペリさんの「星の王子さま」の中に『たいせつなことは、目に見えない』という言葉があります。そこで、問題です。「そこにあるのに見えない大切なものって何?」
あなたの答えは何でしょう?以前小学生に聞いたら、いろいろな答えがありました。「空気」「風」「音」「いのち」「電波」「愛」「やさしさ」…
では、言葉に敏感な詩人たちはどう答えるのでしょう?
ふとそう思った私が見つけた3人の答えは、「根」「昼の星」「しあわせ」でした。
相田みつをさんの詩
花を支える木 / 枝を支える幹 / 幹を支える根 / 根はみえねんだなあ
金子みすずさんの詩の一部
青いお空のそこふかく / 海の小石のそのように / 夜がくるまでしずんでる
昼のお星は目にみえぬ / 見えぬけれどもあるんだよ / 見えぬものでもあるんだよ
谷川俊太郎さんの「えほん なぞなぞうた」から
みえない / かえない / さわれないのに / もっているひとが / うらやましい
答えは「しあわせ」
今、目に見えないコロナウイルスと日々たたかっている私たちにとって、こういう「見えない大切なもの」を見失わないようにすることがとても大事なことではないかという気がしています。
2011年3月11日といえば東日本大震災が起きた日。たくさんの建物が壊れ、大きな津波が襲ってきて、多くの人々の大切ないのちが奪われました。恐れと大切なものを失った悲しさと虚しさと寂しさで人々の心が震えていたそんな時に、テレビの広告でよく流れていた詩があります。
「こころ」は だれにも見えないけれど 「〇〇〇〇〇〇」は見える。「思い」は 見えないけれど 「〇〇〇〇」はだれにも見える。
宮沢章二さんの詩の一部ですが、覚えていらっしゃいますか?
空欄の言葉は、「こころづかい」と「思いやり」です。
私が勤めた小学校でのエピソードを二つ紹介します。
ある日校内をまわっているときに、1年生の靴箱の靴がどれもかかとがそろってきれいに並んでいることに気づきました。見ているだけで気持ちよくなりました。一人一人が気をつけて入れているのかな、なんてりっぱな1年生…と感心しました。そこで、次の朝そっと様子を見ていたら、7時50分頃、1年生が3人靴箱にやってきて、みんなの靴をそろえはじめました。にこにこしながらやっている様子はなんとも微笑ましいものでした。
ある朝登校してきた2年生から5年生までの数人のグループが、なにやら大きな段ボール箱をもっていました。箱の中を見せてもらうと、空のペットボトルや汚れたビニル袋が入っていました。事情を聞いてみると、通学路に段ボール箱といっしょにいろいろなゴミが落ちていたので拾ってきたとのことでした。「通学路にゴミが落ちているのがいやだった。」「歩く人のじゃまになるから何とかしたいと思った。」…そんなことを話してくれました。
どんなにやさしい気持ちを持っていても、もっているだけでは相手にはなかなか伝わりません。でも、こころづかいや思いやりとして行動に移すと、相手に伝わり、さらに人から人へ伝わっていくこともあります。同時に、気をつけてあたりを見回してみると、それまで見逃していたこころづかいや思いやりに気が付くことがあります。思いを行動に移そうとする気持ちと見えないものを見ようとする気持ちがうまく合えば、きっと今よりもっとあたたかい世の中になると思います。
全家研ポピー浜松支部 教育対話主事 鈴木育代
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