対話主事通信「いろとりどり」2022.11月号
年に何回か小さな孫のお守りをするようになって、自分が小さかったころにやった遊びを思い出すようになりました。
鬼ごっこ・缶蹴り・かくれんぼ・馬乗り・ゴム跳び・あやとり・じゃんけんグリコ・だるまさんがころんだ・ずいずいずっころばし・おせんべ焼けたかな・・・
「このくらいの歳のころはこんな遊びをしていたなぁ」と、けっこう記憶に残っているものです。神社の前の広場とか空き地、小学校の運動場など当時の情景、そしておぼろげながら友達の顔が不思議とよみがえってきます。みなさんが小さなころにしていた遊びはどんなものでしたか?
昔の遊びは「伝承遊び」とも言われるようです。細かなルールが記された本などがなくとも人伝えで代々受け継がれてきたものなので、こう呼ばれるのでしょう。
この「伝承遊び」がこれからの時代を生きる子どもたちにとって大切な力を育てるものとして改めて見直されています。
具体的に例を挙げると、次のようなことです。
十数年前に、何かの折に耳にした話があります。少々あいまいな記憶ですが、おおよそ次のような話でした。
「東京のある町が何番めかの公園を作るにあたり、今度は子どもたちの希望を取り入れようと、百人ほどの小学生に理想の公園の絵をかいてもらった。花壇、噴水、ぶらんこ、滑り台、お城や各種のアスレチック施設など、はたしてどんな設備が求められているかと意気込んでその絵を調べたところ、そこにかかれていた大半は何もないただの空き地だった。」
なるほど、子どもって与えられた遊びよりも創る遊びの方が楽しいんだな。本来自分たちで遊びを創り出すものなのかもしれないな。そんなことを思った記憶があります。今の子どもたちに同じことをしてもらったら、はたしてどんな絵をかくのでしょうか?
子どもたちの本質は何も変わらないと思いたいのですが、心配な気持ちもあります。最近いろいろな場面で、ゲーム機やタブレットやスマートフォンを手にして画面を見つめて長い時間を過ごしている子どもの姿をよく見かけます。作られたゲームをしたり動画を見たりしてひとりで遊ぶことに慣れてしまったら、自分で工夫して何かを創り出す力や誰かと一緒に力を合わせて何かをする力が育ちにくいのではないかと考えてしまうのです。デジタルな遊びがいっぱいあふれている現代の子どもたちに、ぜひ昔懐かしいアナログな遊びも経験してほしいなという思いが強くなっています。
全家研ポピー浜松支部 教育対話主事 鈴木育代
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