対話主事通信「いろとりどり」2023.8月号
夏休みが近づいてきました。子どもたちは、学校へ行かない時間をどのように過ごすのでしょう? 親は、子どもたちにどんな時間を過ごさせるのでしょう?
少し前のこと、晴天に恵まれた5月の連休、娘夫婦と5歳の誕生日を目前にした孫が我が家にやってきました。毎日、仕事と子育てに奮闘している娘夫婦を少しでも休ませようと、がんばって孫守りをしました。(本心は、ただ孫と遊びたかっただけかも…)
ふだんは、タブレットで動画を見たり、ゲームをしたりしていることが多いのだろう。できるだけ外で遊ばせようという思いで、あちこちの公園に連れて行きました。ばあばやじいじとできる外遊びとして孫がやりたがったのは、追いかけっこでした。鬼になったり、逃げる側になったり、交代しながら遊びました。でも、このくらいの歳の男の子の運動量はなかなかのもので、飽きることなく繰り返される孫の「おいかけっこしよっ」の言葉に、だんだん自分のからだが悲鳴をあげるようになる現実を痛感しました。
追いかけっこを何とか回避できないかと思案していた時に見つけたのが、地面に生えていた野草、オオバコでした。昔よくしていた遊びを思い出し、孫に挑戦状をたたきつけました。地面から折り取ったオオバコの茎を2人がそれぞれ持ってからませ、引っ張り合って切れた方が負けという対戦ゲームです。つきあいで始めた孫もだんだん夢中になり、勝てば「よっしゃー」、負ければ「つぎは勝つぞ」とより強そうな茎を探します。初めての遊びだったようですが、けっこう盛り上がりました。
しばらく遊んで飽きてくると、地面でもそもそ何やら探し始めました。「何さがしてるの?」と聞くと、「ダイヤの原石」という意外な言葉が返ってきました。てのひらに乗っているのは、小さな白い小石や多少光るところのある小石です。大人の目には何でもないただの石ころでも、子どもにとっては大事な宝なんだということをふっと思い出させてもらった気がしました。それにしても「原石」なんて言葉、どこで覚えたのでしょうね。
別の日には、少しばかりアウトドア体験のできる郊外のカフェに行きました。大人向けの施設かなと思いながらの訪問でしたが、子ども向けのボルダリング遊具やブランコ、ハンモックなどがあって、孫もけっこう遊べました。屋上テラスでコーヒーを味わいながら、交代で孫と遊びました。青く澄んだ空、新緑の山々、飛び交うツバメ、広がる田んぼ…「空気がおいしいね」「風が気持ちいいね」…そんな言葉が自然に口から出てきます。
しばらくすると例によってダイヤの原石を探し始めた孫が、ふと「あれ? なんだこれ」とつぶやきました。見に行くと、なんと、カエルです。たぶんもとは田んぼだった土地なのでしょう。土だらけのカエル。まさしく冬眠していた穴から出てきたばかりのカエルがそこにいました。孫の様子は、さわってみたいけれどちょっとこわい…という感じです。おそるおそる手を伸ばすと、カエルはぴょんぴょんはねて草むらに消えていきました。でも「つちだらけだったねぇ」と少し興奮気味でした。
そして、カエルが出てきた穴を見ると、何か昆虫の幼虫が一匹出てきました。が、もそもそ動き回っているうちに、もとの穴の中にコロン。思わず「落っこちた」と言うと、孫は「ちがうよ。きっとね、じぶんではいったんだよ」…落ちたのか、自分から入ったのか、ああでもないこうでもないとなぜか話が盛り上がりました。
身の回りにある大人にとってはなんでもないものやことが、子どもにとってはキラキラする楽しい大切なものなんだなあと、3日間の孫とのふれあいの中で改めて感じさせられました。
そう言えば、4月の終わりごろの新聞に、「魔女の宅急便」の作者、角野栄子さんが「『こどもの日』に寄せて 想像で遊ぶ楽しさを味わおう」というメッセージを寄せられていました。その中に心に残る言葉がありました。
せっかくの夏休みです。たまには、何もしない時間をつくって、自分の心がどう動き始めるのか試してみるのもいいかもしれませんね。子どもも、そして、大人も。
全家研ポピー浜松支部 教育対話主事 鈴木育代
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