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教育対話主事通信「いろとりどり」2024.11月号

2024.10.16

                     

 

5歳になった孫が寿司を食べるようになったと娘から聞いたので、我が家に来たとき、さっそく夕食を手巻き寿司にしました。

「玉子、サーモン、エビ、最近はマグロも好きになった」という話だったので、孫に「マグロも食べる?」と聞いたところ、

返ってきた言葉は「大丈夫」。よしよし、マグロも準備しなきゃ…と張り切りましたが、ん? 孫の表情を見てなんとなく違和感。

「マグロほしいんだよね?」と再確認すると「いらない」。びっくりポンでした。さっきの孫の「大丈夫」を私は「食べられる」

と理解したのに対し、孫は「いらない」という意味で言っていたのです。        

                                          

 ある日、スーパーマーケットのレジで耳に入ってきた店員と客の会話。

「お買い上げの品物は以上で大丈夫でしょうか?」「大丈夫です」

「レジ袋は大丈夫でしょうか?」「大丈夫です」

「お箸とおしぼりは大丈夫でしょうか」「大丈夫です」

「お支払いは現金で大丈夫でしょうか?」「大丈夫です」

…「OK」やら「No, thank you.」やらが入り混じった「大丈夫」のオンパレード。私の頭は大混乱です。

ウチにあった国語辞典(大修館書店 明鏡国語辞典 2003)で「大丈夫」を調べてみたら、こう書かれていました。

  • 丈夫で、しっかりしているさま。「大丈夫か。しっかりしろ」
  • 危なげがなく安心できるさま。保障できるさま。確か。「あの人に任せておけば大丈夫だ」「資金は大丈夫か」「あんなこと言っても大丈夫ですか」
  • まちがいなく。たしかに。「大丈夫、合格するよ」「大丈夫、まだ間に合う」

 そうそう、これが私の頭の中にある「大丈夫」です。でも孫やその親世代が最近使っている「大丈夫」は、もっとバラエティーに富んでいるようです。

ではどんな意味で使われているのかと調べていたら、外国人向けのあるガイドブックに「なるほど」と思う解説があったので、表にまとめてみました。

 

意味

用例

①    強くてしっかりしている・あぶなげなく安心できるさま

・(建物の耐久性を心配している友人に)「この建物は造りがしっかりしているから、大きな地震が来ても大丈夫だよ」

・(頼りになるガイドさんを見て)「あの人に任せておけば大丈夫だね」

②    間違いがなく確かなさま

・(美術館の閉館まで十分な時間があるか受付で確認したい時)「まだ時間は大丈夫ですか?」

・(うまくできずにがっかりしている友だちに対して)「きっと次は大丈夫、うまくできるよ」

③    必要・不要の意を確認する

・(重そうな荷物を持つ年配者を見かけて)「大丈夫ですか? 持ちましょうか?」

・(切符の買い方がわからず困っている人に)「大丈夫ですか? お手伝いしましょうか?」

・レストランで提供されたお水を半分飲んだ時に店員がそれを見て)「お水のおかわり、大丈夫ですか?」

・(コンビニエンスストアでお弁当を買った時に店員が)「お箸は大丈夫ですか?」

☆これらの問いかけに「大丈夫です」と答えると、「不要です。ありがとう.」の意味になる。

④    問題がない

・(待ち合わせに遅れた友達が「遅れてごめん」と謝ったのに対して)「全然大丈夫」

・(楽しみにしている旅行前日、天気予報で曇りのち雨と知って)「明日の天気、大丈夫かな?」

・(賞味期限がきれた和菓子を見て)「これ食べても大丈夫かな?」

⑤    可・不可の意を確認

・(建物に靴のまま上がっていいかわからない時)「靴を脱がずに上がっても大丈夫ですか?」

・(温泉施設で水着を着て入りたい時)「水着を着て温泉に入っても大丈夫ですか?」

⑥    やんわりと断る

・(同僚が「金曜日の懇親会どうする?」と聞いてきたので)「あ、僕は大丈夫です」と断った。

・(友達が勧めてくれた和菓子が苦手だった時)「ありがとう、大丈夫です」

                                                                                                                                                                                                                     

 

はっきりと拒否の意思表示をするのが苦手な日本人にとって、やんわり断る感じで使える「大丈夫」はとても便利な言葉なのかもしれません。

孫と買い物に行ったスーパーで試食用のウナギを勧められた時、私は「ありがとうございます」と言っておいしくいただきましたが、

一緒にいた孫はにこっとして「ぼくは大丈夫です」と答えて食べませんでした。

「大丈夫」がどんな意味で使われているのか、慎重に見極めないといけない時代になったなあ…と感じています。

 

全家研ポピー浜松支部 教育対話主事 鈴木育代                                      

 

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