対話主事通信「いろとりどり」2022.10月号
「見立て遊び」のすすめ
まず、考えてみてください。 ホチキスの針やダブルクリップをよく見て、何か別のものを連想してください。あなたは、どんなものを思い浮かべますか?
ある人は、次のようなものを思い浮かべました。
左上から、エスカレーター・トレーニング器具、左下がベンチ・木とテントでしょうか? 人形と一緒になっているのでそれぞれのシーンが生き生きと想像できますね。同じような連想をされた方がもしいらしたら、すごい!
これらは、実は、最近話題のミニチュア写真家・見立て作家、田中達也さんの作品です。田中さんは、1981年熊本生まれ。2011年、ミニチュアの視点で日常にある物を別の物に見立てたアート「ミニチュアカレンダー」を開始し、以後毎日作品をインターネット上で発表、インスタグラムのフォロワーは2022年3月現在350万人を超えているそうです。私は、2017年のNHKの朝ドラ「ひよっこ」のタイトルバックではじめて知りました。2020年ドバイ国際博覧会には日本館展示クリエーターとして参画されたそうです。全国を回って展覧会が開催され、多くのファンが詰めかけているようです。私は、清水マリナートで行なわれた「ミニチュアライフ展2」に今年の7月5日に行って、生の作品を楽しんできました。
田中さんの作品の楽しさは、まず何といっても、さまざまな身近なものがフィギュアと組み合わされて風景や人々の暮らしやレジャーの情景に「見立て」られていることです。田中さんは、こう言っています。
「みんなが知っているものを別のものに変換するのが見立てであり、何が何に見立てられているのか誰もがすぐにわかるのがその面白さだと思います。だから僕は普段の暮らしの中からアイデアを得ることが多いですね。スーパーやホームセンターなどで壁一面に並ぶ商品を見ていると目に刺激が飛び込んできてアイデアにつながります。」
それからもうひとつ、作品につけられたタイトルもとても楽しいのです。ためしに、あなたなら上の4つの作品にどんなタイトルをつけますか? 田中さんがつけたタイトルは次のとおりです。
「オツカレーター」 「ジム用品」 「しばらくここで待ってクリップ」 「クリップでトリップ」
思わずクスッとしてしまいますね。駄洒落(?)が多いのですが、このことについて田中さんはこう言っています。
「モチーフをもとにした言葉と、見立てた風景をもとにした言葉をそれぞれ20〜30個ぐらいずつ並べて、意味が似ているものや韻を踏んでいるものをかけあわせるんです。作品が『見た目の見立て』でタイトルは『言葉の見立て』というのがしっくりくるかもしれません。日本人はもともと言葉遊びが好きですよね。例えば、お節料理の『黒豆』なら『まめ』に暮らせるように、『エビ』なら『腰がまがるまで長生きするように』など、言葉の見立てをしてきた歴史があります。」
視点を変えることで発見できる“見立て”の面白さにワクワクしてしまいます。どうでしょう。子どもと一緒に、暮らしの中のいろいろなものを何か別のものに見立てたり、それに面白いタイトルをつけたりして遊んでみませんか? この遊びによって、豊かで平和な未来をつくるために絶対に必要な「想像力」がきっと養われると私は思っています。
全家研ポピー浜松支部 教育対話主事 鈴木育代
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