対話主事通信「いろとりどり」2022.6月号
知人が考えた笑い話を3つ紹介します。お題は「なま」だそうです。
「生魚」 イカ好きな父親のためにがんばって生のスルメイカの調理に挑戦することにした高校生の娘、しばらく悪戦苦闘した末、キッチンから出てきてひと言・・・「びっくりしたあ。イカの中からプラスチックが出てきたよ。環境汚染かな?」娘が差し出した物体を見て言いかけ、やめてぐっと飲みこんだ父親の言葉は(ちょっと待て。それはイカの骨ではないのかい?)
「現なま」 四歳の男の子とおばあちゃんのお店屋さんごっこ。店員役のおばあちゃんが「はい。お菓子3個ですね。300円です。」と言うと、お客役の男の子が差し出したのはおもちゃのスマホ。あららと思ったおばあちゃんが「ごめんね。この店はお金しか使えないの。500円玉持っていたら出して。200円おつりあげるから。」と言うと、男の子「お金って何? おつりって何?」
「生身」 昼ごはんの支度をしていた妻がふと外を見ると、空が曇っていて今にも雨が降り出しそう。調理途中で手が離せなかったので、夫に「雨降っていないかな?洗濯物が濡れちゃいけないから、ちょっと見て。」と頼んだ。夫は「はいよ。」と言って、ソファに座ったままスマホの天気予報アプリを調べ始めた。「雨は午後の1時からになっているからまだ大丈夫だよ。」外では小粒の雨がぽつぽつと落ち始めていた。
どうでしょう。笑い話としての出来はともかくとして、取り上げているテーマにはちょっと考えさせられました。
細長くきれいに切られたイカの刺身、握りずしのイカ、これらばかり目にしていたら、イカが本来どんな姿をしてどんなふうに生きているのか想像もつきませんね。ましてやくねくねのイカに透明な骨があるなんて。もうかれこれ20年ほど前になるでしょうか。スーパーや魚屋で売られているパックの魚しか見たことのない子が、魚は切り身の状態で海を泳いでいると勘違いしていた・・・などという笑い話のような話がまことしやかに語られていたので、授業の折に中学生に話したことを思い出しました。
あっという間に広がってきたキャッシュレス決済。スマホがお財布代わり、読み取り機にスマホをかざせば支払い完了。セルフレジがあちこちに増え、現金かカードか支払い方法が問われます。カード払いも圧倒的に増えている昨今です。そんな中で、お金つまり現金という観念はどうなっていくのでしょうか。おつりという言葉も死語になっていくのでしょうか。これからの子どもたちは、硬貨やお札(紙幣)をどんなふうに受け止めることになるのでしょか。小学校での足し算、引き算の計算では、十円玉や百円玉といったおもちゃの硬貨を使って勉強してきましたが、これからの時代にそういう学習ができるのでしょうか。
新聞をとっている家庭が少なくなっています。本も書店ではなくネット注文で買える時代です。わからないことや知りたいことはなんでもスマホで検索。あふれる情報が簡単に手に入ります。しかもスマホはその人の好みに合わせてあらかじめ情報を選んで提示してくれます。とても便利ですが、反面、何の気なしに目にした新聞記事や棚に並んだ本から新しく興味が広がっていく・・・なんてことが少なくなっているように感じます。何が正しいのか、何が真実なのかよくわからないまま、時間があればスマホを手にその時興味ある情報ばかりを見ている・・・それが実態ではないのでしょうか。雨が降ってきそうなのかどうか、自分の目や肌で感じて判断するのではなく、検索して調べることしか思い浮かばない自分になってしまったらと考えるとちょっとこわくなります。
「生の体験」「生の感覚」…そういうものを小さな子どものうちからたっぷり味わわせてあげたいと思う気持ちがこのごろとても強くなっています。
全家研ポピー浜松支部 教育対話主事 鈴木育代
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